不動産占有移転禁止仮処分の申立てと保全執行

 家賃滞納などにより賃貸借契約を解除して建物明渡し請求訴訟を提起しても、賃借人が第三者を建物に引き入れ、別の占有者が現れることがあります。

 この場合、当該賃借人は悪質であり、放置しておくと、更に別の占有者を引き入れてします危険があります。その対策として、占有移転禁止仮処分の申立てを行うことがあります。

 賃借人と特定できない占有者Yを債務者として行う占有移転禁止仮処分の申立てを保全執行の具体的手順をご紹介します。

占有移転禁止仮処分の申立て

① 表札、近隣の居住者などからの聞き取りなどにより、賃借人以外の占有者を特定できないか調査する。

② 特定できない場合、その旨を占有移転禁止仮処分の申立書に記載して申立てを行う

③ 裁判官と面談し、保証金の金額が決められる。

④ 法務局に保証金を供託し、占有移転禁止仮処分決定が出される。

保全執行

① 占有移転禁止仮処分決定が出された後、執行官に保全執行の申立てを行う。

② 占有移転禁止仮処分決定から2週間以内に保全執行として、執行官が現場に行く日が決まる。

③ 保全執行の当日、執行官は、建物に行き、応答がなければ、鍵を解錠して建物内に入る。

④ 建物内に誰かがいれば、その者から事情を聞き、占有状態を確認する。執行官は、郵便物などを確認することもできる。この時点で、占有者Yが誰なのか特定されることもある。

⑤ 執行官は、建物内のしかるべき場所に公示書を貼付する。

⑥ その後、執行官は執行調書を作成する。

建物明渡し訴訟の提起

 賃借人及び占有者Yを被告として建物明渡し請求訴訟を提起し、判決を得て、本執行を行う。

 このように、賃借人が悪質な事案では、相当の費用と労力を要することになりますので、なるべく早期に弁護士にご相談いただければと思います。

(弁護士 井上元)

この記事は弁護士が監修しています。

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