共有持分割合の決定方法

対象不動産が共有である場合、各共有者はそれぞれ共有持分を有していますが、共有物の持分割合はどのようにして決まるのでしょうか?

持分割合に関する規定

民法250条の推定規定

共有持分の割合が定められている場合にはこれによりますが、定められていない場合、各共有者の持分は相等しいものと推定されます(民法250条)。
共有持分の割合を第三者に対抗するためには登記が必要です(177条)。

民法250条の特則

  1. 埋蔵物の発見(民法241条ただし書)
  2. 付合(民法244条)
  3. 混和(民法245条)
  4. 相続財産(900条、901条、902条)

具体的事例

共有割合の認定については次のような事例があります。

単独名義の不動産が共有と認定された事例

大阪家裁昭和40年3月23日審判・判タ185号196頁では、被相続人(夫)の遺産分割において、被相続人名義の不動産につき、申立人(先妻の子)と相手方(被相続人の妻)との間で、当該不動産は被相続人の単独所有か、被相続人と相手方(妻)の共有かが争われました。
審判は、次にように述べて、当該不動産は被相続人と相手方(妻)の共有であり、その持分は各2分の1であると認定しました。
「別紙第一目録記載の不動産はすべて被相続人と相手方との共有に属しその持分を各2分の1とすべきである。けだし
第一にこれらの不動産は被相続人と相手方とがいわゆる共働きをして得た収入によって入手したものであり、被相続人の単独所有名義にしたのは上記四の末段に認定した事由によるものであるから、特段の事情のない限り両名の共有に属すると解するのが当事者の意思に添う所以であるし、
第二にこれらの不動産購入資金の内16パーセントを被相続人が、34パーセントを相手方が現に支出しているが、全資金に対する両者の分担率は、住宅金融公庫からの借入金に対する負担の割合をどう定めるかによって変動するものであり、その割合を定めた形跡もないから、結局両者の間に分担率について明確な取りきめはなかったものと考えられ、このことは取りも直さず持分の割合についても取りきめがなかったことを意味する。他方両者の収入額は前記二に認定した通りであるところから婚姻後の取得財産に対する相手方の寄与の度合は通常の家庭の主婦と異りとりわけ高いことが認められるのであって、このような場合金銭的寄与額の差に拘泥し民法第250条の推定を破ってまで両者の持分に差等をもうけることは、夫婦共同体の本質に照し妥当でないからである。」
上記の事例は、配偶者である相手方(被相続人の妻)の法定相続分が3分の1、申立人(先妻の子)の法定相続分が3分の2の時代のものでした。現在の法定相続分は各2分の1であり、状況が異なっています。ただし、相手方(被相続人の妻)の特有財産からの資金供与が明らかな場合にはこのような議論もあろうかと思います。

借地権の共有持分の割合の事例

東京地裁平成20年10月9日判決・判例時報2019号31頁では、借地権の準共有分割につき、借地権の現物分割は可能であると解するのが相当であるとしたうえで、次のように述べて、各準共有者が有する地上建物の面積割合によるとしました。
「その分割の基本的基準は、本件借地権の準共有持分割合であると解される。その持分の割合は、民法上、均分が推定されているが(民法264条、250条)、本件では、参加人が本件借地権の対象となる地上建物の大半を所有しており、被告らは件外建物のみを所有していることに照らすと、上記均分推定が破られる特段の事情が存在するといえ、本件では、参加人と被告らの本件借地権の準共有持分割合は、参加人と被告らがそれぞれ所有する本件建物の面積(略)と件外建物の面積の割合に従って算定するのが合理的である。
なお、弁論の全趣旨によると、被告らは、被告ら間の本件借地権の準共有関係の解消を積極的に望んでいるものとは認められないから、被告らの準共有に係る本件借地権については、分割しないで、参加人に対する関係でのみ、本件借地権を分割するのが相当である。

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