手付金

不動産を売買する際、多くの場合、手付金の授受がされます。契約締結時、買主が売主に対し、売買代金の1割程度の金額を預け、決済の際に残金を支払うというのが一般的です。

手付金は、どのような趣旨で授受されるのでしょうか?

手付金の趣旨については、(1)解約手付、(2)損害賠償額の予約、(3)証約手付、(4)違約罰などがあるとされています。民法557条1項では「買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる」と規定されており、民法は手付を解約手付としています。すなわち、特約のない限り、例えば、1億円で売買契約を締結し、買主が1000万円の手付金を支払った場合、買主は1000万円の手付金を放棄して契約を解除でき、売主は手付金の倍額である2000万円を提供して契約を解除できるのです。

手付金に関して、「履行の着手」があったため契約の解除をすることができか否かを巡って多くの争いが生じています。

最高裁昭和40年11月24日判決は、解約手附の授受された売買契約において、当事者の一方は、自ら履行に着手した場合でも、相手方が履行に着手するまでは、民法第557条1項に定める解除権を行使することができるとしました。

「履行の着手」について次の最高裁判決がありますので参考にしてください。

(1)最高裁昭和33年6月5日判決

土地の買主が約定の履行期後、売主に対ししばしばその履行を求め、かつ売主において土地の所有権移転登記手続をすれば何時でも支払えるよう残代金の準備をしていたときは、民法第557条の「契約の履行に著手」があったものと認めるのが相当である。

(2)最高裁平成5年3月16日判決

買主が、履行期前において、土地の測量をし、残代金の準備をして口頭の提供をした上で履行の催告をしても、売主が移転先を確保するため履行期が約1年9ヶ月先に定められている事実関係のもとでは、測量及び催告は民法557条1項にいう履行の着手に当たらない。

(3)最高裁平成6年3月22日判決

売主が手付けの倍額を償還して売買契約を解除するためには、買主に対して同額の現実の提供をすることを要する。

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