一部の者の共有を残すこともできるのでしょうか?

共有物分割訴訟では、全員の共有関係が解消されることが原則ですが、共有関係の解消を望まない者については共有として残すことも許されます。
民法256条が各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができるものとしたのは、共有者間に共有物の管理、変更等をめぐって、意見の対立、紛争が生じたときは、共有物の管理、変更等に支障を来し、物の経済的価値が十分に実現されなくなるという事態となるので、かかる弊害を除去するという趣旨によるものと解され、意見が対立したX側とY側との間の共有関係のみを解消すれば足りるのであって、意見の対立のない者の相互間を含めて、一律全面的に共有関係を解消する必要はありません。(最判昭和62・4・22民集41巻3号408頁、最判平成4・1・24集民164号25頁)。
ただし、共有関係の解消を積極的に希望しない一部の共有者以外にも共有関係を存続させることはできません。
共有として残された土地の処理はその共有者間の協議に委ねられます。しかし、共有として残された後に各共有者が売却等処分する可能性もありますので、分割に当たって、なるべく処分可能性を維持する、あるいは高める方法で行うのが合理的とされています。

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