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明渡し請求の問題

現物分割もしくは全面的価格賠償により物件を単独取得した場合、単独取得した当事者は、判決確定後、占有者に当該物件の占有権限がなければ、明渡しを求めることができます。
それでは、共有物分割請求訴訟において、物件を単独取得する判決が確定することを条件として、将来の明渡し請求を求めることができるのでしょうか?
これを認める裁判例がありますのでご紹介します。

東京地裁平成19年5月30日判決(平成18年(ワ)15154号)

「被告は、今後も本件居宅を生活の本拠として居住を続けていく必要がある旨を主張しているところ、上記のとおり、現在、本件居宅には被告のみが居住して生活の本拠としていることや、被告の健康状態など弁論の全趣旨によって認められる事情にも照らせば、被告が、本件不動産についての共有持分を原告らに移転し本件居宅を退去する代わりに、原告らから価格賠償金を受け取るという内容の全面的価格賠償の方法をとるとすれば、被告が原告らから確実に価格賠償金の支払を受けることができるように履行確保のための措置を講じることが、被告の利益の保護の要請にもかない相当であるといわなければならない。」

東京地裁平成17年11月10日判決(平成16年(ワ)23038号)

主文「1別紙物件目録記載Dの各土地のうち、別紙土地測量図の青線で囲んだ部分について、それぞれ原告X1持分4分の2の、原告X2持分4分の1の、原告X3持分4分の1の共有取得とする。
2被告らは、原告らに対し、別紙物件目録記載Dの各土地のうち、別紙土地測量図の青線で囲んだ部分を引渡せ。」
「原告らは、第1請求記載のとおりの裁判を求めているが、これは、共有物分割を求める形成の訴えとこの訴えに対する判決が確定することを条件とする原告ら請求部分の引渡を求める将来の給付の訴えを併合して提起しているものと解され、主文第1項及び同第2項のとおり、判断した。」

東京地裁平成16年7月21日判決(平成15年(ワ)22758号)

主文「1別紙物件目録記載の土地を、別紙分割目録記載のとおり分割する。
2被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の土地のうち、別紙図面記載ABDC及びAの各点を順次直線で結んだ線分によって囲まれた範囲内の土地部分について、共有物分割を原因とする被告持分全部移転登記手続をせよ。
3被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の土地のうち、別紙図面記載ABDC及びAの各点を順次直線で結んだ線分によって囲まれた範囲内の土地部分を引き渡せ。
「そこで、民法258条1項に基づき、本件土地を別紙分割目録及び別紙図面記載のとおり分割するとともに、分割後の原告所得の土地部分につき、被告に対し、被告持分の原告に対する持分全部移転登記と引渡しを命ずることとする。」

東京高裁平成4年12月10日判決(平成4年(ネ)869号)

「本件建物の相当な分割法としては、原告に全部その所有権を取得させる全面的価額賠償の方法によることになり、原告は、本判決が確定することにより本件建物全部の所有権を取得し、他方、被告Y2は本件建物に対する占有権原を失うこととなるから、原告の被告Y2に対する明渡請求は、本判決の確定を条件とすべきであり、この限度で理由がある。」

東京地裁平成4年2月28日判決(平成2年(ワ)3968号)

「ところで、本件において、原告らは、被告に対し、本件土地のうち原告らに分割帰属する土地部分につき、その引渡を求めている。
ところで、原告らの右訴えは、現在の給付を目的とする訴えと解されるが、共有物分割の効果が共有物分割の形成判決の確定によって生じる以上、現在の給付請求としては理由がないが、共有物分割の形成判決の確定を条件とする将来の給付の訴えとしては、被告が、建築基準法42条1項5号によって道路位置指定を受けた私道についてはそもそも共有物分割は許されないと主張し、あるいは高額での任意買収を仄めかすなどの本件紛争の経過に鑑み、予め請求する必要があるものと認められる。」

この記事は弁護士が監修しています。

弁護士 井上元(いのうえもと) OSAKA ベーシック法律事務所

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