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現物分割が認められなかった事例

裁判所は、どのような理由で現物分割を認めなかったのか整理しました。参考にしてください。

土地の面積・地形などを考慮

大分地裁平成24年9月18日判決(平成23年(ワ)769号)

「(1)本件建物を現物分割することは困難であり、本件建物が存在する状態で本件土地(1)と本件建物を現物分割することも困難である。
(2)本件建物は無価値であり、最も有効な対処方法は取り壊しである(略)ことから、本件建物を取り壊すことを前提に、本件土地(1)、本件土地(2)の全体を現物分割することも考えられる。本件土地(1)と本件土地(2)の面積は合計840・35平方メートルであるから、その4分の3は約630平方メートル、その4分の1は約210平方メートルである。
ところが、本件土地(1)、本件土地(2)は、敷地全体が北方向に傾斜し、敷地内に4mないし5mの段差があり、周囲の法面や池の跡など、宅地として有効利用できない部分を含んでいるから(略)、これを分割した場合には、実際に建物建築等に使用できる部分は、各土地の面積よりも狭くなると認められる。そして、本件不動産の近隣地区において、標準画地の規模及び標準的使用は、一般住宅の敷地で300平方メートルないし400平方メートル、別荘・保養所の敷地で500平方メートルないし1000平方メートルであるから(略)、約210平方メートルに分割された土地は、これらに比して面積が相当狭いこととなり、取引は困難であると推認されるし、約630平方メートルに分割された土地も、別荘・保養所の敷地としては必ずしも十分な広さがあるとはいえない。また、本件土地(1)、本件土地(2)は傾斜地であることから、その接道状況は、東側の幅員1.8mないし2.5mの舗装道路(建築基準法42条2項道路)とは、当該道路よりも約1.5m低くないし約2m高く接面しており、南側の幅員約1mの未舗装道路(建築基準法42条2項道路ではない)とは、当該道路よりも4ないし5m程度低く接面している(略)。そのため、本件土地(1)、本件土地(2)の全体を分割すると、分割された土地の接道状況が悪くなり、その点で宅地等としての価値が低減すると考えられる。そうすると、本件土地(1)、本件土地(2)の全体を分割した場合には、約210平方メートルに分割された土地は、取引は困難であると推認されるし、約630平方メートルに分割された土地も、別荘・保養所の敷地としては必ずしも十分な広さがあるとはいえず、接道状況も悪くなる可能性があり、本件土地(1)と本件土地(2)を一体の敷地として扱う場合に比べて、経済的価値は著しく低減するものと推認される。
したがって、本件土地(1)、本件土地(2)の全体を現物分割することは、その価格を著しく減少させるおそれがあると認められる。
(3)以上によれば、本件において、現物分割は相当でない。」

東京高裁平成22年8月31日判決(平成21年(ネ)4717号)

「これらの事実によれば、本件各土地上には、それぞれ建物が存している上、○○の遺産である本件各土地の持分は72分の3にすぎず、その持分に相当する面積は10.01平方メートルであることからすれば、本件各土地につき、現物分割は不可能であるというべきである。」

東京地裁平成19年4月26日判決(平成18年(ワ)20202号)

「本件土地は、その現況の面積が160.33平方メートルであり、これを単純に持分の割合に応じて原告ら分(計18分の11)と被告分(18分の7)とに現物分割すると、原告ら分は97.98平方メートルとなり、被告分はわずか62.35平方メートルとなる。しかも、現物分割をするに当たっては、原告ら分の土地と被告分の土地が、いずれもいわゆる接道義務を満たした上で、その価格が概ね11対7になるようにする必要があるところ、前記前提事実(3)に証拠(略)及び弁論の全趣旨を併せると、そのためには、例えば、別紙図面のA、B、E、D及びAの各点を順次直線で結ぶ線に囲まれた部分(54.09平方メートル)を被告分とし、別紙図面のB、C、G、F、D、E及びBの各点を順次直線で結ぶ線に囲まれた部分(106.24平方メートル)を原告ら分とする分割方法が考えられ、面積や形状については若干の変更がありうるとしても、概ね上記のような分割方法が最も適切であると認められるが、上記のような分割方法では、被告分は狭小であり、原告ら分も、一定の面積は確保されるものの、不整形地となることからして、本件土地全体として相当の減価が見込まれる。
また、前記前提事実(3)のとおり本件土地とこれが接する公道との境界は確定していないから、本件土地を上記のようにして現物分割した場合、その前提とした境界と将来確定する境界との間で不一致が生ずる可能性があり、当事者間に不公平が生じたり、本件土地の分筆登記ができなくなる虞れがある。
したがって、本件土地について現物分割は適さないというべきである。」

東京地裁平成19年2月28日判決(平成17年(ワ)511号)

「本件各土地の現物分割は、その価値を著しく減少させる(当事者間に争いがない。)から困難であり、本件建物の現物分割も不可能と認められる」

東京地裁平成18年11月28日判決(平成18年(ワ)21056号)

「本件においては、建物は朽廃に近い状態であること、土地は一区画として利用するのが最適な地積形状であること、被告も競売による分割を望んでいることなどからすると、現物分割や全面的な価格賠償による分割も相当ではなく、民法258条2項に基づき主文のとおり判決することとする。」

東京地裁平成18年11月27日判決(平成17年(ワ)17138号)

「本件では、共有者間の持分比率に大幅な差があり、被告らの共有持分全部を合算しても8分の1にしかならず、原告らが8分の7を有している。従って、もしも現物分割をすると、被告らは合計しても、私道部分を除くとわずか14平方メートルの本件建物敷地部分の土地を取得するに留まり、現物分割後の土地が狭小であり利用価値がないといった事態が生じる。また、本件建物については、現物分割は不可能である。」

東京地裁平成18年6月28日判決(平成17年(ワ)21521号)

「本件土地はそれ自体が比較的狭く、公道を除く三方を原告やその子会社の所有地に囲まれている上、本件土地上には、隣接する原告所有地にまたがる原告のビルが存在し、本件土地はビル敷地の一部にすぎないところ、原被告間では長らく地代改定や増改築許可などの係争が続いて信頼関係が欠けていることから、現物分割をした場合には、土地利用上の紛争が生じる懸念が大きいが、本件土地が原告の単独所有となれば、その周囲の原告所有地や子会社所有地を併せて一団の土地として利用し、本件土地も周囲の土地も共に利用価値が増すことが認められる。したがって、上記1認定のとおり、被告は、本件土地の過半数の共有持分を持ち、近くに不動産を保有していることや、先祖の土地を自らの意思によらずに手放す心情などを考慮したとしても、本件土地については、現物分割をするよりも、原告の単独所有とした上で、被告に対して全面的価格賠償を行うのが、より相当性の高い方法と認められる。」

東京地裁平成18年3月24日判決(平成17年(ワ)15289号)

「原告ら及び被告の持分を面積に換算した場合、原告X1及び原告X2の持分については各約30.85平方メートルとなり(甲3)、土地としての使用価値、交換価値を著しく減少させるおそれがあること、本件土地は、角地であり(甲4)、取得場所により価格単価差が生じるところ、その調整は困難であることを考慮すると、現物分割の方法によるのは相当でない。」

東京地裁平成17年7月28日判決(平成17年(ワ)11886号)

「本件土地及び件外建物の状況、共有者の人数及びその持分割合等からすると、本件土地を現物をもって分割した場合には、本件土地が細分化されることにより経済的効用の乏しい土地を生み出し、本件土地の宅地としての価値を徒らに損ねることとなると認められるから、本件土地については、民法258条2項に該当するものとして、競売を命ずるのが相当と認める。」

東京地裁平成17年5月31日判決(平成16年(ワ)4109号)

「原告の当初の請求は、本件土地をおよそ2分割し、その1を原告の単独所有とし、他の1を被告らの共有とするものであった。しかし、被告○が指摘するとおり、分割後の土地について被告らの共有とすることは相当とは認められない。そこで、これを更に被告らの持分に応じて現物分割するとすれば、それぞれ持分8分の1を有する被告B及び被告○の分割後の土地の地積は、約37・3平方メートル(298.51平方メートル÷8)程度の狭小な土地となることが見込まれる上、本件土地を、原告及び被告らの持分に応じ4分割するための線引き方法の策定には困難を極めることとなる。よって、現物分割の方法は合理的とはいえず、現実的でもない。」

東京地裁平成16年5月11日判決(平成14年(ワ)27171号)

「本件土地は、登記簿上160.62平方メートルであり(甲1)、これを3分割することは、本件土地の価格を著しく損なうものというべきである。
被告Y1は、25坪あれば家は建つとの記載をした陳述書(略)を提出する。
これは、本件土地を2分割することを想定した主張と考えられる。しかし、80.31平方メートルの土地に建物を建築することが不可能ではないにしても、土地が細分化されることにより、その利用方法は相当程度制約を受けるものというべきであり、このような分割方法によっても、やはり本件土地の価格を著しく損なうものというべきである。また、原告と被告Y2がともに競売による分割を求めていることからすると、残りの半分は競売に付すことになると考えられるが、そのような分割方法は、本件土地全体を競売に付す場合と比較して、共有者間の公平の点からも相当とはいえない。」

広島高裁平成15年6月4日判決(平成13年(ネ)414号)

「本件土地の位置、形状、持分割合、共有物の利用状況は前記認定のとおりであり、特に双方が東側公道への通路を確保しながらこれを現物で2分することは、その形状や面積からして実際的ではなく(戦後の復興に伴う区画整理では、狭小な宅地を生じさせないため、本件土地の面積が最小区画とされたことは前記のとおりであり、それ以下の分筆が制限されていたほどである。)、現物で分割することは困難というほかない。」

東京地裁平成15年4月21日判決(平成14年(ワ)22298号)

「被告Y2を除く本件各不動産の共有者らは本件各土地は、間口が狭いため、現物分割することは困難であると認識していることは当裁判所に顕著であり、この事実に、証拠(略)により認められる本件各土地の間口が狭く、奥行きのある地形、先に認定した本件各土地の共有者の数及びその共有割合、本件各土地上の本件建物についての共有者の数及びその共有割合を斟酌すると、本件各不動産の現物分割は困難であると認められる。」

東京地裁平成14年10月3日判決(平成13年(ワ)16089号)

「ア本件土地は、原告所有建物の敷地として使用されていること(検証)
イ原告の持分が16228分の16000であるのに対し、被告の共有持分は16228分の228とわずかであり、面積に換算すると2.28平方メートルに過ぎないこと(甲1)
ウ本件土地の市場取引価額は、最大限高めに評価しても3.3平方メートルあたり50万円を超えることはなく、被告の持分を価額に換算すると約34万5000円であって、原告にはその支払能力があるうえ、本件土地を分筆するなどして現物分割をするとすれば、それを上回る費用を要すると認められること(弁論の全趣旨)
エ本件土地と隣地との間には、境界標識が現存しており、現況においてその境界も明確であるのに、わずかの面積のためにこれを移動させることは、客観的には原告被告双方にとって利益とならないこと(検証)
オ離れ建物は現況において居住の用に供されておらず、被告ないし隣地を使用している者が本件土地を通行して西側道路に出る客観的な必要性は乏しいうえ、現にそのような通行が頻繁に行われている形跡はないこと(検証)が認められる。
そうすると、本件土地の分割にあたっては、全面的価格賠償の方法により、原告に本件土地を単独で取得させるのが相当である。」

札幌地裁平成11年7月29日判決(平成9年(ワ)1918号)

「確かに、被告○ら現物分割希望部分を被告○らの共有とし、それ以外の部分を原告と被告○らとの間で現物分割するとの分割方法が許されないわけではない。しかし、被告○らの主張によれば、被告○ら現物分割希望部分は、別紙分割案一又は別紙分割案二記載のとおり、3.05メートル又は2.87メートルの幅で北八条通りの拡幅作業後の公道に接することになるというのであるから、本件土地の被告○ら現物分割希望部分以外の部分が公道に面する幅は3.34メートル又は3.52メートルとなり、右分割案に従って本件土地の残地部分を原告と他の被告との間で現物分割することになれば、本件土地の残地は、右1に述べた以上に利用価値のない土地に細分化されることになる。したがって、本件土地を被告○ら主張のように現物分割することも、本件土地の全体としての価格を著しく損なうことになるというべきである。」

東京地裁平成3年7月16日判決(平成2年(ワ)4903号)

現物分割すると接道義務を充たさないため現物分割は不可能としました。
「2争点2(現物分割の可能性)について
本件土地は、都市計画区域内(第二種住居専用地域)に所在し、建築基準法にいう「道路」に2メートル以上接していなけれぱならないところ(建築基準法41条の2、43条1項)、別紙測量図面のとおりのいわゆる旗竿地であり、西側の公道に幅約2.86メートルで接道している(争いがない。)。本件土地は、その東側が、現況通路(幅約2メートル)に接しているが、これは元水路を埋め立てたものであって、建築基準法上の道路とは設められていない(争いがない。)。
西側の公道に接している幅は、前記のとおり約2.86メートルであり、この接道部分は、別紙測量図面のとおり、本件土地のうちの幅約2.86メートル、奥行約14.45メートルの細長い形の路地状の部分であること(争いがない)に照らせば、本件土地を現物分割しようとするときは、分割の結果生ずる各土地がいずれも建築基準法上の接道義務を充たすように分割を行うことは不可能であり、分割の結果生ずる土地のいずれかが、建築基準法上の接道義務を充たさない土地となるのは明らかである。そして、接道義務を充たさず建物の敷地として適法に利用できない袋地部分については、その使用価値、交換価値が著しく小さくなると認められる。ただでさえ、さほど広い面積といえない本件土地(地積212.89平方メートル)を分割してこれより小さな面積の土地に分筆することは、土地の有効利用利用可能性の観点から、全体としての使用価値、交換価値を減少させることになるというべきところ、このように建築基準法上、建物の建築が不可能な土地を作り出すことになるのでは、本件土地を現物分割することは、本件土地の全体としての価格を著しく損なうことになるというべきである。
また、本件建物については、前記認定のとおり、その構造上、全体で一個の建物と認められるものであり、また、その一部分が独立して別個の所有権の対象となり得るものではないから、これらに照らせば、現物分割の可能性のないことは明らかである。
以上によれば、本件土地について現物分割を行うことは、その価格を著しく損なうおそれがあるものであり、また、本件建物について現物分割を行うことは不可能というべきである。」

建物の存在・地形などを考慮

東京地裁平成28年2月24日判決(平成27年(ワ)12273号)

「本件土地は複数の者により共有される土地であり、また、本件建物は本件土地を敷地とする1棟の建物であるから、現物分割により本件不動産の共有物分割をすることは不可能ないし著しく困難であると認められる。したがって、任意売却が困難である旨の双方当事者からの意見に照らせば、共有物分割の方法としては、競売を命じた上で売却代金を分割するほかない。」

東京地裁平成27年7月15日判決(平成25年(ワ)3410号)

「本件建物が、亡○の生前である昭和49年から現在に至るまで、本件土地のほぼ全部を敷地として建っており、貸しビルとして長年にわたって複数の賃借人に賃貸されきたことが認められ、このような事情に加え、被告が本件において本件建物の収去を求めていることとを考え併せると、本件土地を現物分割して、本件土地の一部を被告が取得することとする分割方法は、被告が取得することとなった土地上に存在する本件建物の部分についての建物収去・土地明渡しの紛争が現実化する危険性が高く、社会的・経済的にみて適当ではない。したがって、現物分割する方法によることは適さず、不相当というべきである。」

東京地裁平成20年6月25日判決(平成19年(ワ)29953号)

「本件不動産は別紙物件目録記載のとおりの土地、建物であり、建物の形状及びこれの土地との位置関係などの状況に照らすと、現物をもって分割することはできず(本件土地の上にその地積の大半を占める形で本件建物が存在し、また、本件建物は1棟の建物で原告ら、被告らの持分に応じた区分所有に適さない。)、原告ら主張のとおり代金分割の方法によるほかないので、民法258条2項に基づき本件不動産について競売を命じ、その売得金を原告ら及び被告らの持分に応じて分割すべきものである。」

東京地裁平成19年7月19日判決(平成18年(ワ)24355号)

「本件不動産は、多数の土地建物で構成されているが、その財産的価値は著しい偏りがあり、被告の取得希望は価値の高い物件に集中しており、また、価値の高い土地の上には、別紙不動産目録(2)の3記載の建物が存在し、これらを現物分割することは社会通念上不可能又はその価格を著しく減少させるおそれがあるものと認められる。」

東京地裁平成19年7月11日判決(平成18年(ワ)21685号)

「本件建物1の共有者は15名に及び、本件建物2の共有者は5名であること、本件建物1の居宅及び本件建物2の各居宅の構造は、内部に独立して居住できるような区画を有するものではないこと、本件土地には原告所有の建物が建っていることが認められる。これらの事実からすれば、本件各不動産(本件建物1、2及び本件土地)を共有者間で現物分割することは不可能であるか、または、その価格を著しく減少させるおそれがあると認められる。」

東京地裁平成19年5月30日判決(平成18年(ワ)15154号)

「本件各土地は、東側部分が幅員約3.2メートルの進入路となる路地状の不整形地であり、北側及び西側でそれぞれ幅員約2.8メートルの水路(暗渠)に接面しているものの、この水路は建築基準法上の道路ではないこと、本件各土地の一部には、工場敷地としての使用に伴う六価クロム化合物による土壌汚染が確認される部分があること、本件各建物は、不動産登記簿上の表示と現況とが大幅に異なっているが、現況建物は、その種類(工場、居宅又は倉庫)から見ても、区分所有に適するものとはいい難い上に、いずれも経年による老朽化が目立っており、周辺の環境とも適合せず、敷地とも不適合となっていることが認められる。
れらの事実によれば、本件不動産は、本件各建物について持分に応じた現物分割をすることが実質的に不可能である上に、本件各土地についても、東側の進入路部分及びその隣接地を取得できない者が生じるとすれば、この者はいわゆる無道路地を取得することになるなど、仮に、本件不動産を現物分割することとすれば、本件不動産の効用は何ら維持・改善されるものではないばかりか、かえって、本件不動産の市場価値が著しく減少することが予想される。
そして、本件全証拠によっても、原告らはもちろん、被告からも、本件不動産について具体的かつ合理的な内容の現物分割の案が提示されているわけではないことも合わせて考慮すれば、本件不動産の共有物分割について、現物分割の方法によることが相当であるとはいい難い。」

東京地裁平成19年3月20日判決(平成17年(ワ)20027号)

「本件土地と本件建物は一体として利用されており、本件建物については、構造上居住スペースと賃貸スペースに分けることは可能ともいえるが、外観上は1棟の建物であり、仮にこれを分割するとしても合計7名の各共有者間で平等に分割することは困難であることから、本件各不動産を現物分割することはできない。」

東京地裁平成19年1月11日判決(平成18年(ワ)14095号)

「本件土地の分割の方法について検討すると、共同住宅の敷地及び駐車場として利用されているという本件土地の現況に照らすと、その現物を分割したのでは、分割された各部分を利用することが困難であって、本件土地の価格を著しく減少させることになると考えられる。」

東京地判平成18年10月19日判決(平成18年(ワ)12639号)

「本件不動産のうち、別紙物件目録記載1から3までの土地は一体として、同目録記載4の建物の敷地を構成し、その全体が一個の別荘であること、その土地を細分化すれば、資産価値がほとんどなくなってしまう」

東京地裁平成17年7月8日判決(平成16年(ワ)20916号)

「これを本件についてみるに、本件土地上の大部分を敷地とする本件建物が存在しており、本件土地の現物分割は、物理的・経済的に困難であること、被告ら及び○○の共有が遺留分減殺請求によって生じたものであり、本件土地の共有物分割は、実質的に遺産分割に準ずる側面をも有すること、原告も被告らも、本件土地の現物分割が適当ではないとの意向であり、自らが相手方の共有持分を取得するという前提付きながら、全面的価格賠償による分割自体には同意していることなどに照らし、本件土地の分割は、全面的価格賠償の方法によるのが相当である。」

東京地裁平成17年3月18日判決(平成12年(ワ)21327号)

「本件土地1はさほど広い土地ではなく、その上には原告らの所有にかかる本件建物が隣接する本件土地2に一部跨る形で存していることが認められ、かかる現状に照らせば、本件土地1の現物分割は著しく困難であるというほかはない。」

東京地裁平成17年2月4日判決(平成16年(ワ)17473号)

「1共有物の分割において競売が許されるのは、現物をもって分割をすることができないか、あるいは現物分割をすると著しくその価格が減少する恐れがある場合であることが必要である。
建物について現物分割をするには、通常、多額の工事費を必要とするものであり、区分所有建物のように当初から独立性の高い場合を除き、建物の現物分割は著しくその価格が減少する恐れがある場合に該当するといわざるを得ない。本件建物には、そのような特段の事情があるとはいえず、現物分割により著しくその価格が減少する恐れがある。したがって、本件建物の分割は、競売による代金分割が適切である。本件土地は、本件建物の敷地である。本件建物の分割方法が現物分割ではなく競売による代金分割によらざるを得ない以上、その敷地である本件土地も同様の方法で競売に付さないと、土地と建物の所有者が異なってしまい、土地建物いずれもその価値を減少させる恐れがある。被告も、本件建物を存置させたまま本件土地の現物分割を希望するものではない。したがって、本件土地の分割も、競売による代金分割が適切である。」

東京地裁平成16年9月10日判決(平成15年(ワ)28806号)

「本件土地は間口約10メートル(角切含む)、奥行約5メートル、公簿上の面積は43.96平方メートルであり、本件土地上には本件建物が所在しており、専ら本件建物の敷地として利用されている。」

東京地裁平成16年2月24日判決(平成13年(ワ)26166号)

「本件土地上には、いずれも被告が所有する建物5棟が、別紙建物配置図記載のとおりの配置により存在しているが、本件土地が公道に面しているのは、東側の間口約27.27メートルのみであり、本件土地の東寄りの部分には、公道に沿うように、賃貸されている建物3と建物2とが存在している。このような各建物の配置と本件土地の公道への面し方に加え、前記前提事実記載のとおりの使用方法にも鑑みると、現物分割により、各持分に応じた取得部分を定めることは困難であると認められ、また、被告は、現物分割によるべきであると主張するものの、具体的分割案を主張するに至っていない。
以上によれば、本件土地の分割は、これを競売に付し、売得金を分割する方法によるほかないというべきである。」

東京地裁平成15年12月16日判決(平成15年(ワ)13830号)

「本件土地は、不動産登記簿上の面積が93・16平方メートルにすぎず、これを単純に6分割すれば、1つ1つは約15・5平方メートルと狭小な土地となり、その結果、宅地としての使用価値・交換価値が減少することは明らかであるから、本件土地を現物分割することは、その全体としての価値を著しく損なうことになるというべきである。
また、本件建物については、不動産登記簿上の床面積が1、2階とも80.53平方メートルの木造瓦葺の倉庫・共同住宅であり、どのように分割しようとも、6分割したそれぞれが独立して所有権の対象になり得るとは考え難く、したがって、現物分割は不可能であるといわなければならない。
以上に、被告らの中に全面的価格賠償の方法による本件土地建物の分割を希望する者はなく、むしろ、全員が代金分割の方法によることに異議はないと述べていることを併せ考えると、本件土地建物については、代金分割の方法によるほかなく、したがって、民法258条2項に基づき、競売に付し、その売得金から競売手続費用を控除した金額を原告ら及び被告らの各持分に応じて各6分の1の割合で分割すべきである。」

東京地裁平成15年10月17日判決(平成14年(ワ)26130号)

「本件土地は、南東側において東方向から入る公道及び北西側角において北方向から西方向に曲がる公道に接しているが、南東側公道は本件土地に突き当たって行き止まりとなっていること、南東側公道は建築基準法42条2項の適用を受ける、いわゆる2項道路であるが、現況の幅員は約3.33メートルにすぎないこと、北西側公道も2項道路であり、現況の幅員は約2.77メートルにすぎないことが認められる。」
「このように本件土地は、もともと限られた部分しか公道に接道していないという点で現物分割をする上での制約があるほか、前記のとおり、2棟の建物が本件土地の上に存在しているため、建物を収去しない前提で現物分割をしようとすると建物の存在による減価を考慮しなければならなくなるなど、本件土地を現物分割をするに当たっては複雑な要素を勘案しなければならない。
「被告Y1が提案する別紙図面2の方法は、確かに各分割地が建築基準法上求められる公道への接道の要件を満たすことができ、建物の存在による減価の影響を最小限に抑え、原告には更地を分割するという点では検討に値する案であるともいえるが、この方法によると各分割地の評価が幾らになるのかについては何ら示されておらず、またこれに必要な鑑定の申立てなどもなされていない。」

東京地裁平成15年3月14日判決(平成14年(ワ)22476号)

「本件不動産は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上7階建のビルの4階部分の1室であること、本件不動産は、原告及び被告ら合計17名の共有であること、被告Y1は、本件不動産を単独で取得することを希望しているものの、自ら鑑定費用を負担して本件不動産の時価を明らかにするつもりはないこと、また、被告Y1の有する共有持分は847分の363であって、競売による分割を希望している原告の共有持分847分の400よりも少ないこと、被告Y7は住居所不明であるため共有物分割についての同人の意向を確認することはできないこと、以上の事実が認められる。
2上記1で認定した事情を総合すれば、本件不動産を現物分割することは社会通念上極めて困難であり、仮に、無理に現物分割するとすれば著しくその価格を低下させることとなることが明らかである一方で、全面的価格賠償の方法による分割を相当とするような特段の事情も認められないというべきである。」

東京地裁平成15年2月6日判決(平成13年(ワ)13117号)

「本件各不動産は、前面道路との間に段差があり、石垣の間に設置された階段を経て出入りする構造となった土地と、その上に所在する一棟の建物であり、当事者はともに、本件各不動産を持分に応じて現物分割したときには、その価額を著しく損するものであることについて、争いがない。」

東京地裁平成15年1月27日判決(平成13年(ワ)14400号)

「本件土地建物の性質及び形状は、○○及び別紙図面のとおりであり、本件土地については、これを現物分割すると、被告の取得部分を本件土地の最有効使用である中層階の店舗兼居宅の敷地として使用することが困難となり、その経済的価値を損なうおそれがあること、また、本件建物については、これを現物分割し、区分所有建物とすることはできない」

東京地裁平成15年1月17日判決(平成13年(ワ)8565号)

「原告が本件建物2を利用するためにはその修理又は改築が必要であると考えられるところ、その前提として、原告取得部分に至る通路を確保するためには、被告の本件建物1を一部取り壊さなければならないことが明らかである。しかしながら、○○○○によれば、被告が本件建物1を取り壊して新たに自宅を新築することは資金的に困難であり、本件建物の一部のみ取り壊すことは技術的に困難であることが認められる。
そうすると、本件では、現物分割が不可能であるか、また、現物分割することによって、著しく本件土地の価格を損するというべきである。」

大阪高裁平成11年4月23日判決(平成10年(ネ)1315号)

「本件建物の規模、構造は、原判決添付図面のとおりであり、本件建物は、専ら市場としての機能を高めるために、全面的な改装が行われ、賃借人との賃貸借が改められてから間もない時期にあるところ、本件建物にさらに改装を加えて、等価の三戸の区分建物として、各当事者にそれぞれ分配するなどの現物分割を実行することは、物理的にも不可能であることが認められ、その敷地である本件土地のみを、現物分割により各当事者に取得させることも、本件建物の分割との均衡を考えると、ふさわしくないというべきである。」

被告が一旦は売却に応じていた

東京地裁平成28年1月28日判決(平成27年(ワ)30885号)

「本件土地1及び2は両者をあわせた接道面が2メートル程度であること、原告ら及び被告は前件調停に沿って株式会社○との間で専属専任媒介契約を締結し、同調停所定の条件を満たす買受希望者も現れていたこと、本件建物3には現時点においては原告ら及び被告のいずれも居住しておらず、朽廃が進んで相当の管理費用を要する状況にあることなどの事実が認められる。
2上記各事実に加え、被告は前件調停においては本件土地1及び2並びに本件建物3の売却に応じており、その後にこれを拒否するに至ったことについて合理的な理由は見出し難いことなどの事情も考慮すれば、本件土地1及び2並びに本件建物3については、現物分割が不可能であり、又はこれによりその価格を著しく減少させるおそれがあるものとして、競売を命じるのが相当である。」

差押登記がある

東京地裁平成14年12月2日判決(平成13年(ワ)1853号)

(1)土地につき共同住宅の敷地であること、(2)土地につき接道を考慮すると分割すると価値を著しく損すること、(3)土地につき被告の持分に差押登記があること、等を理由に現物分割はできないとしました。
「2(1)前記認定事実及び上記事実によれば、国立市○○不動産1及び○○不動産は、いずれも賃貸の用に供する建物(共同住宅)とその敷地であり、同不動産を分割するにあたって、現物分割の方法によったときには、その価格を著しく損するものであることは明らかなところである。
また、国立市○○不動産2も、細長い間口を通じて道路に接する形状の土地とその上に所在する建物であり、その接道を考慮したときには、これを現物分割の方法によって分割することも、また、その価格を著しく損するものと認められる。
(2)次に、国立市○○不動産の分割方法について検討するに、同不動産は、2方向で道路に接する形状の更地であり、これを現物分割の方法で分割することは容易になし得るところであり、そのことのみによって、その価格を著しく損するものということはできない。
しかしながら、前記認定のとおり、同不動産については、財務省によって、原告らと被告の共有持分に関する所有権移転登記及び被告の共有持分についての差押登記が経由されているのであって、仮に、本件土地を原告らと被告の4名に対して現物分割したとしても、各分割後の土地について、なお財務省による差押登記が残ることになる。
そうすると、国立市中不動産を現物分割をした場合、同不動産は、評価額に応じて4分の1ずつに区分した土地となる上に、それぞれの区画の所有権の一部に対する差押登記が現存することになってしまう。
国立市中不動産をこのように面積が小さく、かつ、そのいずれについても権利関係に制約のある土地に細分化したときには、結果において、その価格を著しく損するものであり、同不動産についても、現物分割の方法は採用し得ないものというべきである。」

区分所有による分割は困難

東京地裁平成20年5月27日判決(平成17年(ワ)25671号)

「本件建物は、地下1階付き8階建て建物であり、その構造上、専有が可能な部分と共用部分とに分かれており、区分所有建物となり得るが、区分所有権の登記をするには、被告らが保有する本件建物の建築図面が必要であるのに、被告らがこれらの提出に応じないため、本件建物を区分所有する方法による現物分割が事実上困難となっていることは前示のとおりである。したがって、本件建物の現物分割は、現状のままでは事実上困難といわざるを得ない。」

東京地裁平成19年2月28日判決(平成17年(ワ)18415号)

「本件不動産の現物分割については、被告は区分所有の可能性を指摘するが、その現実的可能性については明らかではないから、区分所有の形による分割は困難である。また、それ以外の方法による現物分割も、その価値を著しく減少させることになる(当事者間に争いがない。)から、それも困難である。さらに、全面的価格賠償の方法による分割についても、原告及び被告らのいずれもこれを希望していない。したがって、本件不動産の分割については、代金分割の方法によるしかない。」

建物・マンション・ビルは現物分割できない

東京地裁平成19年7月25日判決(平成18年(ワ)9791号)

「本件不動産は、区分所有建物の専有部分である一室とその敷地権であるから、これを現物分割することは不可能である。」

東京地裁平成18年9月29日判決(平成18(ワ)1650)

「原被告の持分比に応じて区分させると仮定した場合、全床面積(181.84平方メートル)のうち、原被告の持分に相当する部分は、原告について141.43平方メートル、被告について40.41平方メートルとなるところ、これを基準に本件建物を原被告間で合理的に分けるのに相当な部分がない(仮に、各階ごとに区分した上、各階のいずれか1つをさらに2分し、そのいずれかに被告の持分に相当する面積を確保したとしても、これと残余部分とがいずれもが独立性を有したものとはならない。)ことからすれば、本件建物を適正に現物分割することは不可能であるか、分割によって著しくその価値を損するものであるといえる。」

東京地裁平成17年6月3日判決(平成17年(ワ)4602号)

「本件不動産は、マンションの一室とその敷地の共有持分であるから、現物分割が不可能であることは明らかである。」

東京地裁平成16年7月30日判決(平成15年(ワ)18698号)

「本件建物は、木造亜鉛鉄板葺の2階建ての一棟の建物であるから、これを現物分割することは相当ではない。」

東京地裁平成15年12月19日判決(平成12年(ワ)18174号)

「本件建物は、1個の建物であり、間仕切りがあるとはいえ、構造上それぞれの占有部分が独立しているものではなく、間仕切り部分の柱等は相互の部分が共用しているものと推測される。したがって、建物として1個の不動産の一部分に所有権を成立させることはできないので、原告主張の分割方法は採用できない。また、附属建物を共有のまま残すことも相当ではない。次に、被告は、本件建物を区分所有建物として、それぞれの占有部分をそれぞれの専用部分として独立の所有権の対象とすることを主張する。しかし、本件建物を区分所有建物とするということは、本件建物の主要構造、柱、梁、壁、屋根等を共用部分として、共同の管理を行う負担を双方当事者が負うことになる。そして、本件建物の共有者のそれぞれの家族が隣合わせに居住しながら、相続等を巡って対立してきたことや本件の和解の経過(結局は、本件建物を独立の2つの建物とすること、あるいは片方の占有部分を取り壊すことについて合意ができなかった。)に照らせば、区分所有建物とすることが双方当事者にとって相当とは考えられない。)」

東京地裁平成15年11月13日判決(平成15年(ワ)10925号)

「本件不動産はマンションの1室とその敷地権であることが認められる。したがって、本件不動産は、現物をもって分割することができないものということができる。」

東京地裁平成15年5月22日判決(平成15年(ワ)505号)

「本件不動産は、マンションの9階部分であり、現物分割は不可能である。」

東京地裁平成15年2月7日判決(平成14年(ワ)25785号)

「本件不動産は、マンションの区分所有権であり、その現物分割は不可能である。」

東京地裁昭和57年1月29日判決(昭和52年(ワ)9244号)

「現物分割の可否につき検討するに、仮に、原告が主張するように、別紙図面記載のとおりに本件建物を分割したときは、一方の区分建物に台所、便所、及び風呂場が存しなくなることについては、当事者間に争いがない。また、○○を総合すると、本件建物は、1階には玄関、台所、便所、浴室、3畳間、6畳間及び畳に換算して約15畳に相当する和裁教室用の部屋があり、2階には、6畳間2部屋、4畳半2部屋があるところ、いずれの階においても、完全に均等に2分割することは物理的に相当困難であること(分割のために多額の費用を要すること)、特に一階においては、最も均等分割に近いと考えられる別紙図面記載のとおりに右和裁教室及び玄関を一区分とし、6畳間、台所、便所、浴室を一区分として分割することは、仮に物理的に可能だとしても、分割後の建物、とりわけ和裁教室の方の区分建物は更に多額の費用をかけて大はばな増改築をしなければ生活の用に供し得なくなること、2階に通じる階段を2つに分割することはその位置及び形状からして物理的にも不可能であるから、必ず一方の区分建物は2階へ通ずる階段を欠いた建物にならざるを得ないこと、及び別紙図面記載の分割以外の分割を行つても、概ね右同様のことがいえることが認められ、右認定に反する証拠はない。
右の事実によれば、いずれの階においても本件建物を均等に2分割することは、実際には相当な困難を伴うのみならず、分割された各区分建物は、それぞれほとんど生活の用に供し得ないものになることは容易に推認できるところであるから、本件建物を各共有者の共有持分に応じて妥当に分割することは、ほとんど不可能であると認めるべきであり、少くとも、強いて分割した場合には、その分割によつて著しくその価値を減ずるおそれがあるものと認めるのが相当である。」

この記事は弁護士が監修しています。

弁護士 井上元(いのうえもと) OSAKA ベーシック法律事務所

大阪弁護士会所属(1988.4 登録、日弁連登録番号:20771)
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弁護士 中村友彦(なかむらともひこ) OSAKA ベーシック法律事務所

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